Salut! 日本ビリヤニ協会会員のよこたんです。
いま日本でブームになりつつある米料理「ビリヤニ」をご存知でしょうか。
数日前に初めて作ったんですがその異常なまでの美味しさに、いま頭の中がビリヤニでいっぱいなんです。
特に凝り性でオタク気質がある料理好きの人や、スパイス・ハーブ好きの人は
ビリヤニ沼にハマるのも時間の問題かなと思ってます。
ビリヤニとは
ビリヤニとは、
雑に言ってしまうとカレー味の炊き込みご飯です。
ビリヤニはマトンビリヤニ、チキンビリヤニ、ビーフビリヤニなどの
お肉や魚を使うノンベジのビリヤニと、お肉やお魚を一切使わないベジビリヤニがあります。
お米はインドの高級米「バスマティライス」を使います。
ちなみにイスラム圏が発祥ということもあり、豚肉は使われていないみたい。
代表的なビリヤニの作り方はざっくりこんな感じ↓
- カレーソースを作る
- ご飯を茹でる(半分くらいまで)
- 鍋にカレーソース(グレービー)、半茹でのご飯、ハーブなどを層のように重ねて蒸し上げる
「なんでカレーとご飯を層にするの?」
って思った方、そこには深い理由があるのです。
そしてそれがオタク心をくすぐるのです…!
ビリヤニの起源
そもそもビリヤニとはどこの国の料理なのか。
諸説ありますが、ビリヤニはペルシャ語で「ベルヤーン」(蒸し焼き)が語源とされていて、
イスラム圏(イラン、サウジアラビア、エジプトなど)から東の方へと伝わっていき、
インドのスパイスと出会ったことでビリヤニができたのではないかと言われています。
今ではパキスタンやバングラディッシュなどインドの周辺諸国とインド全域で食べられている国民食なので、
インド料理ということでOKです笑
屋台でも食べられます。
特に南インドではムスリム(イスラム教徒)比率が高いために、ビリヤニを提供する店も多く集まっていて、
ハイデラバードと呼ばれる県はビリヤニの聖地と呼ばれているほどです。
近ごろは日本でも本格的なビリヤニを出すお店が増えましたね。
ビリヤニの専門店もできるほど知名度が高まっているいま、試さないわけにいきません。
ビリヤニの作り方
「マトンダムビリヤ二」
なにやら呪文のようだけど、この記事を読むと意味がわかるようになります。
まずはビリヤニとはなんなのか調べていると出会う、
ダム・パッキ・カッチという言葉。
「なんのこっちゃ?」だと思うのでひとつずつ説明します。
ダム
ダムとは鍋に材料をいれて蒸気が漏れないようしっかり蓋をした状態で蒸し上げる調理方法のこと。
一般的にビリヤニはこの調理方法で作られています。
日本でいうと「炭火焼鳥」みたいな感じ?
焼き鳥は焼き鳥でもガスじゃないよ、みたいな。
もしお米を炊飯器で炊いて、あとで鍋のソースと合わせるような場合は「ダム」ではないということになりますね。
パッキ
パッキとはヒンドゥスターニー語で「調理された」という意味。
パッキは一度カレーソース(グレービー)を作ったあと、鍋の中で半分ほど茹でたお米と
層になるように交互に重ね合わせて、その水分で炊き上げるスタイルのこと。
ほとんどのビリヤニはパッキビリヤニです。
カッチ
カッチとはヒンドゥスターニー語で「生の」という意味。
生肉をスパイスやヨーグルトと一緒にマリネして30分〜数時間寝かせたあと、
半ゆでのお米を上にのせて弱火で1時間ほど炊き上げるスタイルのビリヤニです。
お米をのせるときに、一緒に小さいじゃがいもをのせたりもします。
生米(ヒンドゥースタイル)
お米を半ゆでにするパッキ・カッチと異なり、生米から炊き上げるスタイルのビリヤニ。
プラオというビリヤニに似た炊き込みごはんも、生米から作ります。
プラオはビリヤニよりもスパイスが控えめで味が均一らしい。
あぁ〜プラオもそのうち作ってみたい…。
パッキとカッチの違い
「それぞれの作り方にどういうデメリット・メリットがあるの?」
私も最初レシピが大量にあって混乱したんですが、はじめて作ったのはパッキビリヤニでした。
生肉から炊くかどうかというよりもビリヤニで気にしなくちゃならないのはお米です。
ビリヤニはお米をチャーハンのようにお米がパラっと、ベタつかないように仕上げる必要があります。
お米が炊けてなかったり、逆に水分が多すぎておかゆみたいになったりするとビリヤニが台無しになるからです。
これはおそらくビリヤニの一番難しいところだと思います。
お米や鍋の中に水分があるほど炊き上げ時間や火力のコントロールに気をつかわなくちゃいけなくて大変なので、
ヒンドゥースタイル(生米)→パッキ→カッチの順にトライしていくのがいいんじゃないでしょうか。
ビリヤニは難易度が高めの料理
ビリヤニを作るのはかなり難易度が高いんじゃないかなと思います。
焦げないようフライドオニオンを作る
たくさんのスパイスやハーブを調合する
ご飯を茹でる、しかも中途半端な状態で…
鍋でご飯を炊く
肉を柔らかく茹でる
ちょっと書き出しただけでもやることが多すぎだし、求められるスキルが結構高め。
でもだからこそ作りがいがあるし、出来上がった時の達成感もあるんですけどね。
ソースとお米を層にして蒸し上げるという一見難解に思える作り方にもちゃんと理由があるんです。
層にすると、ソースに接しているスパイシーでコクのあるライスと、
ソースに接していないスパイスやハーブが香るライスとが生まれて複雑な味わいが生み出せるわけです。
カレーに似ているけどカレーの場合は液体が多いからこうはいかないですよね。
ビリヤニの難易度が高いため攻略したくなる!
ビリヤニは異常なまでに美味しい!
多種多様なスパイスとハーブが香る、ふわっと軽いライス。
お米をソースを混ぜないことで生まれる濃淡がある味付けはいくら食べても飽きが来ません。
もうカレーとは全くもって似て非なるもの。
こんなに美味しい食べ物が溢れる日本にいるのに、
いままでに食べたことのないような味わいのものがまだあったなんて…
とはじめてビリヤニを食べた時の衝撃はものすごいものでした。
美味しすぎて一度食べたら忘れられない!
ということで今回はビリヤニの美味しさと奥深さについて語ってみました。
少しでもビリヤニが気になった人はいますぐビリヤニが食べられるお店へ走って欲しいです。
自分で作ってみたい人は、スパイスどこで買うんだ問題があると思いますが、
スーパーだと手に入らないものが多いので、インド食材店やネットで買い揃えると良いです。
ビリヤニの作り方についてはまた別記事で。
それではまた! Au revoir!