Salut! マニアックな情報を集めるのが好きな料理家よこたんです。
その昔どこかで、こう習ったことないですか?
「にんにくの芽を食べるとお腹を壊すから芽があったら取り外さないといけない」
わたしはこれを聞いてから、にんにくを下ごしらえするときは芽の部分を外してたんです(お腹弱めの子)
でも正直芽を取り除くのはちょっと面倒…。特にみじん切りにする時!
はたして本当に芽を取り除く必要あるの?
と思っている人がかなりいるはずと思い、今回ちゃんと調べてみることにしました。
- にんにくの芽は食べても問題ない?
- にんにくの芽はおいしいの?
- にんにくの栄養の引き出し方
- 芽を取り除いたにんにくをすりおろして、2時間室温に放置(アリルスルフェン酸を最大限に引き出す)
- にんにくをオイルを入れて5日間待てば完成(アホエンを最大限に引き出す)
- 常温のまま摂取する(アホエンは熱に弱く100度を超えると壊れる)
このあたりを解説していきます〜。
にんにくの芽は食べられるよ〜!
色々調べたところ、にんにくの芽は食べても問題なかったです。
中華とかでよく使われる「にんにくの芽」ってありますよね。
あれはにんにくの芽がもう少し育った状態のものです。
風味の変化はありますがなにか有害な物質が入っているというわけではないので、
食べても全く問題なっしんぐです!
ちなみに中国ではにんにくの芽専用のにんにくの品種があるそうですよ。
にんにくの芽は美味しい?
食べられるのと美味しいのはまた別問題ということで…。
にんにくの芽は食べられるけど、生だとあんまり美味しくないです。
辛味が強いため、火を通したほうが良いです。
パスタなどでにんにくをみじん切りやスライスにして火を通す場合は芽だけ小さくて焦げがちだから、
にんにくの芽だけは切らないで使うか、芽をとって使うのがおすすめ。
アイオリソースなどにんにくを生で使う場合は、辛味を抑えるためにんにくの芽はとったほうがベターです。
にんにくの栄養の引き出し方
1990年にアメリカで行われた調査によると、健康に良い食品40品目のなかで、ダントツでトップなのがにんにくでした。
にんにくは下ごしらえの仕方と調理方法で香りと栄養が変化します。
細かくなるほどにんにくは香る
細かくつぶすほど香りがでて、栄養は熱によって変化します。
にんにくにはアリインというアミノ酸とアリイナーゼと言う酵素が含まれているんですが、
にんにくの組織が破壊されてこの2つの物質が混ざりあった時、
アリインがアリイナーゼの働きによってアリシンと言う物質に変化します。
アリシンには殺菌作用、強壮作用、抗酸化作用、ビタミンB1の吸収率を高める効果があるのですが、
アリル化合物や硫化アリルともよばれる、あのにんにく特有の香りのもとでもあります。
つまり、下ごしらえの仕方が丸ごと→つぶす→スライス→みじん切り→すりおろしの順に臭くなるってことです笑
アリシンは揮発性が高く20分程度でどこかに飛んでいっちゃうので、切ったらすぐ油の中へ。脂溶性なので油に溶け込ませて香りをキープ!
香りは控えめにしてうまみだけ欲しいときは、アリシンに変化させないようなるべく丸のままか大きく切りましょ〜。
ビタミンB1(チアミン)と組み合わせると吸収率アップ
ビタミンB1とアリシンが結合すると安定したビタミンB1になります。
ビタミンB1は欠乏すると「かっけ」という病気になっちゃうので大事な栄養素なんですが、
豚肉やロースハムなどに含まれているものの、水溶性で水道水の塩素でも破壊されるし、熱にも弱いので摂取が難しいです。
そんな時にアリシンの出番!
アリシンはビタミンB1(チアミン)と結合するとアリ+チアミン=アリチアミンという物質に変化。
アリチアミンは活性持続型ビタミンB1ともよばれ熱に強くなります。
さらにアリチアミンは脂溶性なので、水溶性のチアミンよりも体内から排泄されづらく、吸収率を高めることができちゃいます。
にんにくを使うときは豚肉などのビタミンB1が豊富な食べ物との組み合わせたレシピがおすすめ。
アホエンオイルの作り方
最後におまけで健康に良いアホエンオイルをご紹介。
アホエンとは動脈硬化を予防したり、血管を広げたり、ガンを抑える働きがある物質で、
そのアホエンが入ったアホエンオイルの作り方!
にんにくと油を混ぜ合わせて簡単に作れちゃいます。
にんにくをすりおろすとアリシンが生まれるわけですが、アリシンはどんどん変化していって、
その過程でアリルスルフェン酸という物質が生まれるんですが、これがアホエンになります。
青森県産業技術センターの「にんにくの機能性成分(アホエン)を増やす加工法の開発」によるとアホエンオイルの作り方は3ステップでめちゃ簡単。
加熱しちゃいけないところだけ注意しなきゃだけど、サラダやパン、料理の仕上げなどに使えそうですよね。
アホエンは普通ににんにくを調理しただけでは得られないので、にんにく好きなひとはレッツトライ〜!
それではまた。 Au revoir!