Kabiで味わう発酵食の世界(目黒/創作料理)

Salut!グルメブロガーよこたんです。

グルメな友人達が最近よく噂しているレストランkabiに行ってきました!




kabiのテーマは「発酵食」

kabiのシェフ安田翔平さんは、デンマークのコペンハーゲンにある1つ星レストランkadeauでシェフをされていました。
kadeauの料理はサーモンやニシンにマッシュポテトといった伝統的な北欧料理ではなくって、ニュー・ノルディック・キュイジーヌと呼ばれる前衛的なスタイルです。

kadeauでは地元の食材が使われていて、季節感があってアートのような美しい盛り付けを特徴としています。
デンマークでは長く厳しい冬を乗り切るために食品の保存技術が発達していてピクルスがよく使われているそうなのですが、
そこで日本の味噌などの発酵食品とのつながりを感じ、ぬか漬けをメニューに取り入れたりしていたそうです。

kabiでソムリエを務める江本賢太郎さんはカリフォルニア大学のデービス校で醸造学を学ばれていて、
オーストラリアのメルボルンにある「NORA」でシェフソムリエを務められたそうです。

2016年末、日本に帰国していた二人はワインバーで出会い意気投合。たびたびイベントを開催するようになっていったとか。
食材を保管するスペースをどうしようかと悩みだしたのがkabiをオープンするきっかけとなりました。

北欧料理と聞くと、個人的にはアリやバッタが使われているnoma(kadeauと同じくデンマークにある世界的に有名なレストラン)の印象が強いです。

普段食べない「虫」を食べるよりも、日本人に馴染みがある発酵食品ならとっつきやすいし、安田さんはこれまでにグリーンピース味噌やホタルイカ味噌などにトライしてきたそうで、普段馴染みのある食材もちょっと切り口を変えるだけでこんなに魅力的に感じるんだな〜と、新鮮な驚きがあります。

友達のイベントに遊びに来たみたいなkabiの店内

目黒通り沿いで、駅からは結構歩くし決して便利とは言えない立地ながらも店内はほぼ満席!

ほとんど全面ガラス張りの店内は日本家屋を改装したもので、壁や床はグレーのモルタルで倉庫みたいな雰囲気。
テーブルにはキャンドル。

え、ここクラブ?と思うほどギリギリまで明かりを落とした照明に、ヒップホップ系の音楽が大音量で流れています。
なんだか友達のイベントに呼ばれたみたいなカジュアルな雰囲気です。
スタッフの人達もドレッドヘアーだったりタトゥーが入ってたりとおしゃれ。海外のレストランを日本に持ってきたみたいな感じでフレンドリーに接客してくれる。

カウンター脇のテーブル席に座ったんですが、店内にはインバウンド客とおぼしき人たちが結構います。

インバウンドの人がはじめて日本にくるなら天ぷらとかすき焼きとか、THE・日本的な雰囲気で食事するのが定番なんだろうけど、
リピーターの人とかはこういうモダンにアレンジされた和食も楽しいだろうなぁ。

Kabiの夏のディナーコース「Summer Kabi」

今回いただいたコースはこちら、夏限定のコース7,000円。

アルコールペアリングも頼んでみました。

メニューに日本語はありませんでした笑
日本語で説明してもらえるので全然問題ないし、インバウンドの人は絶対うれしいと思う。

Kabiのサマーコース(日本語)
  • オクラとあわびのサラダ 発酵トマトジュース
  • 熟成お刺し身
  • いわしの天ぷら パプリカソース
  • ホタテと桃 スイート&スパイシー
  • 車海老とピーマン バターソース
  • スペアリブ 山椒とコンブチャソース
  • 発酵しいたけジュースのそうめん
  • 白くまかき氷

アルコールペアリング 5,000円
ノンアルコールペアリング 4,000円

最初にいただいたロワールのロゼ
ピノ・ノワール、カベルネ・フラン、グロローなどの品種が使われています。
おだやかな果実味があり、甘口でしゅわっと微発泡。

オクラとあわびのサラダ 発酵トマトジュース

一番見た目と味のギャップに驚いたのがこれ!
おかわかめ、あわび、オクラ、出汁、じゅんさい、発酵トマトジュースなどが入ってます。
サラダと英訳されているけど、おひたしみたいな雰囲気の一皿。

出汁の上にうっすらと浮いている油分、これがすごいコクがあってめちゃくちゃ美味しい。
ごま油?なんだったんだろう。聞いておけばよかったな…

熟成お刺し身

2週間熟成したスズキのお刺身とおかひじき。
熟成魚、最近はやってますね。しっかり血抜きして寝かさないと生臭くなるのでほぼ日本でしか食べられないんじゃないかなと思います。
身が柔らかくておいしい。

群馬の日本酒。

甘口でキリッとすっきりしたのどごし。

ホタテと桃 スイート&スパイシー

ホタテ、桃、いちじくに、青唐辛子のピクルスと乾燥させたお豆腐。
さっぱり口直し的な雰囲気。

いわしの天ぷら パプリカソース

イワシの天ぷら。パプリカマヨネーズソースとシェフのおばあちゃんが作った梅干しパウダーでいただきます。
一般的な食材でも、「シェフの地元でとれた○○」とか聞くととたんに美味しそうに思えてくるのは私だけでしょうか。

フランス・ジュラ地方のシャルドネ

これもスッキリ甘口。

車海老とピーマン バターソース

これは美味しすぎた好みの一皿!一見、ズッキーニしか見えませんが…

ズッキーニをめくると茄子、いんげん車海老がお目見え!

味付けはズッキーニの発酵ジュース、ピーマン・ゴーヤのジュース。奈良漬けの酒粕にバターソース。
車海老の味噌とバターソースの相性最高すぎ。

グロルンロール。

甘口の自然派。自然派ワイン独特の臭みはあまりなく、果実味あり。

スペアリブ 山椒とコンブチャソース

ジャスミンティーのコンブチャ(昆布茶ではない)を使ったスペアリブ、パースニップとハラペーニョのピクルス。

カリッと焼かれたスペアリブは旨味たっぷり!かじりついて骨付近まであますところなくかじかじして食べる。

歯に挟まるだろうからと、出てきたインバウンド受け良さそうなつまようじ。

細部までおしゃんてぃ…

発酵しいたけジュースのそうめん

そうめんはシェフの実家の前で作られているもの。具はモロヘイヤ、穴子。
発酵しいたけとマッシュルームのジュースに発酵トマトジュースのお出汁で。
トッピングされてるのはクローバー!食べられるの知らなかった…!

食後酒はほうじ茶フレーバーのラム酒。

未殺菌のはちみつ入り。ほうじ茶とラム酒の相性1200%でおいしー。

白くまかき氷

わらびもちやバナナなどのフルーツがのってます。

日本らしい夏のデザートを楽しんでコースは終了。

ちょっとポーション少なめだけど、バラエティに富んでるしお肉も食べられたし満喫できました。
ワインは全体的に果実味豊かでやさしい味わいのものが多かったです。発酵食とよく合ったように思います。
ワイン苦手な人でもいけるのでは。

Kabi2Fのバーに潜入!

ディナーを食べ終わったら帰ってもいいけど、Kabiの2階にあるバーで〆にお酒を楽しむこともできちゃいます。

スタッフさんに案内されて古い階段を登ると…

日本家屋の趣ある佇まいをそのまま生かしたようなフロアが出現。

障子があったり、酒樽がテーブル代わりになってたり。
1F同様クラブ感は変わらないけど、日本感がマシマシです。

ちなみに仕事終わりのスタッフさんも飲んでます(声かけたらちゃんと接客してくれる)

2Fで流れていた細野晴臣の「フィルハーモニー」↓

なんか近未来感あるけど1982年のアルバムらしい…。

バーのメニューもぬかりなく独創性あり。

山椒ジントニックとかスイカツオとか気になるカクテルがいろいろあったけど、レモンサワーにしました。

国産レモンにふきのとうのシロップいり。
ふきのとうのほろ苦さが後味にふわっと香っておいしい。

なかなかに酔っ払ったのでちょっとふらつきながら階段を降りて雨の目黒を帰りました。

というわけで、Kabiでは日本の発酵食の新しい面に触れることができて大満足のディナーとなりました!

英語のメニューがあったり、英語やフランス語で説明しているスタッフさんもいたので、海外からの感度高めな友達をつれて行くのにぴったりです。
日本人も、味噌や塩麹みたいないままでの発酵食品とはまた違ったものが食べられるので、ぜひ行ってみてください〜。

それではまた! Au revoir!

Kabiへのアクセス

目黒通り沿いにあるので、車で行くか目黒駅からバスで3つめの元競馬場前で降りるのが一番近いです!

Kabi
〒153-0063 東京都目黒区目黒4丁目10−8
月曜定休
火木金 19:00~24:00
水土 12:00~15:00, 19:00~24:00
日 12:00~15:00
03-6451-2413