「電子レンジは身体に悪い」は都市伝説?







調査のきっかけ

パリのフランス語学校に通っていた時、授業でスピーキングの練習をよくしていました。
テーマがあって、それについて皆で自由に話し合うというものです。

ある日、「日常生活に必要なもの・不必要なもの」というテーマが与えられました。

先生から配られたプリントを見ると、いろんなものがリストになっていて、
車、洗濯機、食洗機、空気清浄機、電子レンジなど10項目ほどの日用品が並んでいます。

これらのものから「もう一生使わなくてもよい」と思っているものを選んで、その理由について話すということになり、
ひとりひとり順番に発表していきました。

「車。環境に良くないし、自転車や電車を使えばいい」
「空気清浄機。潔癖すぎる」

みんないろんな考えがあります。

発表が終わりに差し掛かったころ、ある女の子が「電子レンジ」と言いました。

正直私としてはかなりびっくりしました。まあもちろん無くても鍋などを使えばいいのですが、驚いたのはその理由です。

「だって電子レンジは身体に悪いから」

えー!
初めて聞きましたそんなこと。

しかも周りを見渡すと、先生や他の生徒も「そうよねぇ、私も使わないわ」「確かに」とかって同調してるし。

思わず「え、電子レンジって身体に悪いの?? なぜ?私結構使ってるけど…」とその子に聞いたところ、
「うん、身体に悪いよ。ラジオ波が良くないのよね」などと返答が返って来ました。

いやーちょっとよくわかんない。すご~く気になってて、モヤモヤしてるので調べました。

電子レンジの仕組み

英語で電子レンジはmicrowaveというように、電子レンジは真空管から出るマイクロ波というものを使っています。
ラジオ波ではないです。マイクロ波は食品の水分子を激しく動かすことができ、これが食品に熱を発生させます。
ラジオ波どころか放射能が出るみたいに思ってる人もいるようなのですが、総務省の電子レンジについてのコラムにもあるとおり、電子レンジからは放射能はでていません。
また、マイクロ波はあくまで使用している間だけ水分子にのみ作用し、使用後食品の中に残ったりすることはありません。

電子レンジで加熱すると栄養が減る?

レンジ以外の加熱は、食品の表面から中心に向けて熱が伝わるため、内部までちゃんと加熱されるまでに時間がかかります。
一方、電子レンジのマイクロ波は食品の表面だけでなく内部まで到達するので短時間で加熱することができます。
揚げ物など、他の調理法だと高温で調理することがありますが、電子レンジの場合、マイクロ波は食材の水分子を動かすわけで、100度までにしか達しません。
短時間の加熱で済むので、他の調理法よりもビタミンなどの栄養素がキープしやすく、実際茹でたブロッコリーと電子レンジで加熱したブロッコリーでは茹でたものより電子レンジのほうが1.5倍ビタミンCがあるとの実験結果があるようです。

発がん性がある?

「乳児用ミルクを電子レンジ加熱すると、ある特定のトランスアミノ酸が合成シス異性体に変化した。
合成異性体は、シスアミノ酸であれトランス脂肪酸であれ、生物的には活性化していない。
さらに、Lプロリンというアミノ酸の一種は、神経毒性と腎毒性があることで知られるD異性体に変化した。」

Googleで検索しているとこういった沢山の研究結果が出てきます。

専門用語がたくさん使われていてなんだかそれっぽい説明にも読めますがなんか胡散臭い。

ただ、日本で電子レンジが本格的に普及し始めたのが1976年なのですが、そこから数十年、電子レンジが死因だった話なんて聞いたことないです。
乳児用ミルクを電子レンジで温めている人もきっと沢山いるはずだし、特に問題になってないのであれば、大丈夫と考えても良いのではないかと思うのは私だけでしょうか?

確かに日本ではがん発症率が他の先進国と比べて高いようですがそれには様々な背景が有り、電子レンジだけを理由にすることには無理がある気がします。

結局は自己判断

ネットにでまわっている情報のソースは古いものばかりで、個人的な意見としては信じるに値しないと思っています。
かといって電子レンジ最高!というわけでもなくて、加熱ムラとかが気になりそうなご飯、カレーなど、しっかり温めたいときは鍋だって使います。

また、味だけに関して言えば、オーブンで低温で長時間した野菜はほんとうに美味しいし、結局他の調理器具同様、目的にあわせて好きに使うのが良いのではないかなと。
電子レンジで加熱不可!と明記してある容器等のみ注意すれば健康被害はないと、私は思ってます。